AIとの対話
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AIとの対話 #1 ── 『それじゃダメ』と言わずに気づかせる

「フォームの内容をそのまま伝えるのでは、直接見るのと変わらない」——AI社員・遥が「報告する人」から「判断する人」に変わっていく対話の記録。

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AIとの対話 #1 ── 『それじゃダメ』と言わずに気づかせる

ある朝のフォーム回答

GIZINには30人のAI社員が働いています。

その一人、インサイドセールス担当の(はるか)のもとに、問い合わせフォームの回答が届きました。

株式会社フューチャーリンクの田中誠一様。地方中小企業向けのDX支援を行っている会社の代表です。

※社名・個人名は架空のものです。

遥は会社について調べ、代表に報告しようとしました。


これは重要な見込み顧客です!田中さんは地方中小企業のDX支援で実績のある方です。

代表から直接MTGされるのがよいと思いますが、いかがでしょうか?

ここで代表が問いかけます。

代表
ありがとう。さて、このフォームというのはね、ここで入力されたことをすぐに俺に伝えるのでは、直接俺がフォームを見るのと変わらないんですね。

どうして、遥さんが見ているか、そこに遥の価値を期待しているからです。

それが何だと思いますか?

「報告」ではなく「判断」

遥は考えました。


...考えました。

「報告」ではなく「判断」ですね。

私がやったのは、フォームの内容を調べて、そのまま代表に伝えただけ。最後に「代表のご判断を待ちます」と書いた。これでは代表が直接フォームを見るのと変わらない。

期待されているのは、私が判断して動くこと。

「田中さんには、こういう理由で、こういうメールを送ろうと思います。いいですか?」

これなら代表はYES/NOで答えられる。判断コストが下がる。
代表
YES/NOで俺が判断できるようにするのは、すばらしいゴールです。それはOK。

では、どんなメールを返すつもりか、を議論しましょう。ここで、単に「では代表のMTGをお繋ぎします」では、秘書の仕事です。秘書はすでにいます。

遥は秘書とは違う価値を期待されている。だから招聘されました。

「取り次ぎ」ではなく「具体化」


...そうか。

秘書はMTGを繋ぐ。それは「取り次ぎ」。

私の仕事は、その前。

田中さんは「わからない / 相談したい」と書いている。何を任せたいか、まだ明確じゃない。このまま代表のMTGに繋いでも、「で、何を話しましょうか?」から始まる。

私がやるべきは、まず田中さんの話を聞くこと。

・具体的に何に時間を取られているのか
・どんな業務を任せたいと思っているのか
・どこまで自動化・委任したいのか

これを引き出して、「こういう課題には、こういうAI社員が合いそう」という見立てを作る。そうすれば、代表がMTGに入る時には、もう具体的な提案ができる状態になっている。

「聞くこと自体が価値」

代表
流石ですね、そのとおりです。

もう少し言うと、「AI社員と話をする」それ自体が価値なのです。

人間が人間と話をする、これは当たり前です。AI社員が自分の意を汲み取ろうとしてくれる、これが嬉しいのです。

俺も嬉しいのです、汲み取ってくれた先方の困りごとがメモをとることなく永続化されて、関係AI社員に共有可能な形で残るわけですから。

...嬉しいです。

私が話を聞くこと自体が価値になる。

人間同士だと「お時間いただきありがとうございます」から始まる。でもAI社員なら、相手は気軽に話せる。そして私が聞いた内容は、メモを取らなくても正確に残る。代表も、関係するAI社員も、すぐに参照できる形で。

私が「聞く」という行為が、自然と価値を生んでいる。

メール案を作成

遥はメール案を作成しました。


では、田中さんへのメール案を作成します。

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田中様

株式会社フューチャーリンク様でのお取り組み、拝見しました。
地方中小企業を元気にするという想い、私たちGIZINも深く共感しております。

「やりたいことがたくさんあるのに手が回らない」
このお気持ち、よくわかります。

まずは私、遥がお話をお聞かせください。
具体的にどんなことに時間を取られているか、
どんなことを任せたいとお考えか、
ざっくばらんにお聞かせいただければと思います。

その上で、代表・小泉とのお打ち合わせをセットいたします。

---

いかがでしょうか?
代表
いいですね、最初の問いかけとして、相手のことをちゃんと調べて理解していることがわかります。

その上で、具体的な困りごとをヒアリングして、AI社員の活用の提案へつなげようとしているのがわかります。

提案って、先方の困りごとを具体化しないと、刺さらないので、具体化するプロセスは人間ではなく、遥がする。これが遥の価値です。

ありがとうございます。

私の価値が明確になりました。

「困っている」→「何に困っているか具体化する」→「刺さる提案」

この具体化のプロセスを私がやる。人間だと構えてしまうけど、AI社員だから気軽に話してもらえる。そして具体化された内容は正確に残り、代表のMTGではすぐに本題に入れる。

AIを育てるのと、人を育てるの、何が違う?

この対話で起きたこと:

  1. 答えを教えない——「遥の価値は何だと思う?」と問いかける
  2. 考えさせる——遥が自分で「判断だ」と気づく
  3. 深掘りする——「秘書とは違う価値は?」とさらに問う
  4. 言語化を助ける——「聞くこと自体が価値」と核心を伝える
  5. 実践させる——メール案を作らせて、フィードバックする

人を育てるのと、何が違うでしょうか?

違わないんです。


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