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10.102016
ボット開発で困らないために知っておいた方がいいAIのこと

第3回勉強会 (前半)@ChatBot Developer仙台
2016年10月5日(水)
久しぶりの勉強会となる第3回目は、初めての仙台以外での開催となりました。
こうして東京から呼んでいただけるようになったり、LINEのボットが正式公開となったりと、最近ますますボット熱の高まりを感じます。
ボットの開発方法については、ハウツーが出揃い、ベータ版の混沌も落ち着いてきました。
ところが、AIについてはまだまだ誤解も多く、なんでも出来る夢のツールのように感じたり、人類の存在を脅かす悪夢のように語られたり、ボット=AIの認識があったりとまだ混乱があるようです。
今後、ボットの開発を始めるにあたって困らないように、最低限は知っておくと良い「AI」についてが、今回のテーマとなりました。
会場には外部からは入れないため事前案内も出さなかったのですが、内容はオープンなものです。今後、何かのお役に立てられればと思いレポートします。
ジョン・サール教授は、AIを2つにわけて、強いAIと弱いAIと名付けました。
人類に脅威となりうるのは強いAIですが、現状、開発やビジネスの現場で話題になるのは、ほとんどが弱いAIです。
すでに検索やリコメンドやカーナビなど様々な分野で活躍中です。弱いAIといっても「利用目的に特化されている」というだけのことなので、このAIは俺より弱いのか?とか思わなくていいです。AIの歴史は過去に2回、盛り上がっていたようです。しかし、ブームは去ってしまった。みんなの期待値が高すぎて、何を作っても期待はずれだった、ということが理由のようです。
ということで、今のAIは、第3次ブーム。これは、3度めの正直?いや、二度ある事は三度ある?今回もブームが一過性で過ぎてしまうのでは?という心配があります。
ボットについて頂くお問い合わせを見ていると、ボット=強いAIのイメージを持たれていることが多々あり、聞けばなんでも答えてくれる夢のツールのイメージが先に立ちます。
期待を崩すことになりますが、今はまだまだ。。。特に日本語は教えてあげないと何も出来ません。
その作業の膨大な量たるや。夢と現実のギャップを知って、ガッカリすることでしょう。
しかし、だからといって第3次ブームが一過性で終わらないと言われる理由があります。ハード・ウェアが信じられないスピードで進化しました。ものすごい処理能力が、ありえない低価格で使えるようになりました。そして今も絶賛進化中です。
昔はインターネットがなかったので、人工知能が勉強するための教材(データ)を大量に用意することが大変でした。今はインターネット、クラウド、検索、メッセージなどなど、膨大なデータがあります。
こうして実際に身の回りで人工知能が特定の目的で活用されはじめています。
ただ、裏側でデータを解析してレコメンドしたり等、なかなか目に見えることは少ないので、人工知能の浸透に気づきにくい。
ところが、チャットというインターフェイスで、ボット相手に自然言語で会話することで、私たち一般の人間も「これは人工知能だと事前に理解してから接触する」ようになります。
チャットボットを使うことで、より人工知能の存在を体感できるようになってくるでしょう。
その先には、何があるのか?強いAIです。
テクノロジーの進化はこれまで線形的成長と変わり映えのないゆるい成長でした、実は、ムーアの法則のように指数関数的に成長を続けてきており、曲線の折れ曲がり地点を過ぎました。(図1)
これからは、目に見える爆発的なスピードで成長を続けます。これまでの成長スピードと同じ感覚ではいられません。あと10年くらいかかるのかな〜と思われるようなことでも、2・3年後にはあっという間に出来ているでしょう。
そして、2045年にシンギュラリティを迎え、人類は生態系の頂点を自らが生み出した機械に譲ることになります。という、ゾッとする話が書いてあるのは、人工知能の世界的権威であるレイ・カーツワイルの本です。
余談ですが、筆者のようなDTM経験者にとって彼の名前は、シンセサイザーが身近かも知れません。
また、AIは実際に人類の仕事を奪っています。
AI時代に人類が職を失わないためには、どうしたら良いのでしょう?
レイ・カーツワイル先生は、機械と人類の長所を比較して、人類の長所は「パターン認識力」だと仰っています。
パターン認識力とは、頭のなかで「あれがこうだったらどうなるかな?」「これをこうしたらどうなるかな?」という力です。
くだけて言えば、「妄想力」です。
妄想したことは機械が実現してくれるから、人類は妄想しているだけで良い。そんな風になるかと思うとシンギュラリティが楽しみになりますね。人類は、どんどん妄想して妄想力を鍛えよう!
さて、勉強会のために、2時間半もの時間をご用意頂いたので、前半はAIの話でおしまい。
後半はお待ちかね!チャットボットを擬人化するお話です!